高校生の劇を見て思ったこと。
こんにちは!BIKIです。
今日はこれ!
DRAMA KELAS POPEYE と書いてあります。
これは毎年恒例の、SMAN1 MATARAMで開催される、簡単に言えば文化祭のようなものです。
2年生がドラマ(劇)を、1年生がバザー(出店)をします。
3年生は勉強とか忙しいので、先輩として見守るだけです。
この劇ですが、ただの劇ではありません。
実はこれ、インドネシア語の授業の一環で作るものらしく、
テーマに
は
「インドネシアの歴史」
や
「インドネシアが抱える問題」などが含まれているのです!!
例えば、これ。
構成としては、
インドネシア独立の歴史に触れ、私たちが勝ち取った「インドネシア」なのだ、という感覚を想起させます。
その後、そんな祖国、ひいては地球自体が気候変動により危機にさらされている、笑い続けられる未来のために、環境を思う行動をしよう。といったものでした。
ナショナリズム×SDGs みたいなところでしょうか。
2年生は全部で9クラスあります。その作品の多くで、こうした「ナショナリズム」的な作品が扱われていました。
もともと多様な民族の集まりであるインドネシアでは、こうした「我々はインドネシア人である」という価値観を教育する必要があるのでしょうか。日本よりも「インドネシアに誇りを持とう」みたいなメッセージが込められたコンテンツが多いです。(歌など)
また、劇を見ながら、僕はある教育映画を思い出していました。
それは「Most Likely to Succeed」。
これはHigh Tech High(HTH)という、PBL(プロジェクトベースドラーニングの略。プロジェクトを進める経験の中で学習していく)のパイオニア的な学校のドキュメンタリーです。
あらすじは以下をご覧下さい
Most Likely to Succeed Synopsis (in Japanese) あらすじ — Future Edu Tokyo
そこで、歴史の勉強の方法として「劇を作る」というプロジェクトが出てくるのです。
High Tech Highの生徒たちは、劇を作るために様々な歴史を深く知る必要があります。また、そこで得た知識は「使うために得た知識」です。ただテストのために暗記しただけの知識はすぐ忘れてしまいますが(僕もセンター試験の内容をほぼ忘れています)、この「使うために得た知識」はなかなか記憶から消えません。
また、劇を作るというプロジェクトを通して、生徒たちはソフトスキルを身につけていきます。これが、これからの社会を生きていくうえで重要だと言われています。
ソフトスキルとは、コミュニケーション能力やリーダーシップ、ファシリテーションスキルのように評価の尺度を明確に定義しづらいスキルのことです。 (https://www.robertwalters.co.jp/career-advice/soft-skill.html)
今回目にした劇は、それに近いものがありました。生徒たちは1か月前から、毎日のように放課後を使って準備します。夜の10時までやることもざら。そうして全力で劇を作り上げる過程で、インドネシアの歴史などの知識を得ることはもちろん、人生で大切になるソフトスキルをゲットするのでしょう。なにしろ、1か月、クラス30人で一つのものを作るわけですから。摩擦や衝突も起こるでしょう。それを乗り越えて、作品にしていくのです。コミュニケーション能力、リーダーシップ、ファシリテーションなどまさにソフトスキルです。
結果発表の後は、多くの生徒が泣いていました。悔し涙、嬉し涙、両方ありました。全力でないと流せない涙です。
とても胸が熱くなりました。
なんでこんなにいきいきしてるんだこの子たちは。
日本で会ってきた子はこんなだっただろうか。
やはり、僕は1度日本の教育現場に立とうと思います。